

2023年の統計によると胃がんによる死者数は38,771人、大腸(結腸+直腸)がんによる死者数は53,131人となっており、大腸がんは肺がんと同様に主要国の中で日本だけが急激に増加しているのに対し、胃がんは数値上減少しているものの、他の主要国と比較して倍以上に多発しているがんと言えます。
広島長崎の被爆者の健康調査からがんの原因が放射線であることは明白です。消化器官への影響を考えると、レントゲン撮影のように外部から放射線を照射せれるよりも、放射性物質が経口摂取によって体内に取り込まれて体内で放射線を放出する方がより危険となります。
食品中に含まれている放射線の代表格として半減期12.5億年のカリウム40のβ線が挙げられますが、カリウム40のβ線の発がん能力はα線の物よりもずっと弱く、それだけの被曝では胃がんの発生数を説明することは出来ませんでした。
弊社は胃がんと大部分の大腸がんの原因は、肺がんの原因だったラドン222がα線を放出した後に生成されるポロニウム218及びその崩壊生成核種だと考えています。ポロニウムは周期律表で酸素や硫黄と同じ16族元素に含まれています。ポロニウムの放射性同位体の1つであるポロニウム218はウラン系列においてラドン222の次に位置しており、半減期3.1分でα崩壊を引き起こして、鉛214に変わります。常温では固体ですが、ラドン222から生じた直後は秒速100m程度の速度で飛び回り、水に非常に溶けやすい性質があることから、飲料水や食品表面の水分に付着するとそのまま溶け込んでしまいます。
物理実験の分野において空気中のラドンから生じるポロニウムが霧吹きで湿らせた放射線測定機器に付着して測定結果に影響を及ぼす現象は大学研究室時代から把握していましたが、弊社は世界で初めて実際にご飯粒に付着したポロニウムから飛び出るα線を観測し、その様子を写真に収めることに成功しました。
本ページでは飲食物に溶け込んだポロニウムによって胃がんや大腸がんがどうのように発生するかを解説し、世界で初めて捉えたご飯粒に付着したポロニウムのα線について紹介します。