~がん死者を毎年10万人減らす会社~

この記事をSNSでシェア

ラドンはどこからやってくる?

ラドンの同位体の1つであるラドン222の発生源は、地中深くのマントルに含まれているウラン238です。

ウラン238は半減期が約45億年の放射性物質で、太陽系の元となった恒星が超新星爆発を起こした時に生成されたものです。地球上におけるウラン238の大部分は地中深くマントルの中に存在していて、その崩壊熱がマントルの熱、ひいては地熱の熱源となっています。

ウラン238の崩壊は1度で終わらず、そこから生じた生成核種までもがさらに崩壊を起こし、これを何度も繰り返していくという特徴があります。この一連の崩壊の繋がりをウラン系列と呼びます。ラドン222はこのウラン系列の途中にいる元素であり、ウラン238から3回のα崩壊と2回のβ崩壊を経たラジウム226がα崩壊を起こすことによって発生します。

ウラン系列においてラジウム226までは常温で固体ですが、ラドンは気体であり、単原子分子であることと他の物質と反応しないことが関係して高温高圧化のマントル内でも気体状態を維持しています。地球内部の外核は液体、マントルは液体ガラスのようなものと見なせるため、地球内部で生じたラドン222はマントル内を上昇して地殻との境界面までたどり着きます。そしてそこから地殻のちょっとした隙間やマグマの通り道を通って地上へ湧き出ています。ラドン222の半減期が3.8日と地殻を通るまでの時間に対して十分な長さを持つことから、地表に出たラドン222は屋外空気1Lあたりに10,000原子程度含まれることなります。酸素や窒素と比べればわずかと言えますが、存在自体はどこにでも存在しているありふれた物質であると言えます。

目次に戻る

関連ページ

この記事をSNSでシェア