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放射線科学専門家の皆様へ

ラドンによる肺の内部被曝量が過小評価されている。

日本のほとんどの新築住宅での被曝量は年間20mSvを超えている。

昨今の日本の放射線に関する専門書籍にはラドンの吸引摂取による肺の内部被曝量を年間1.2mSvと記載しているものがあります。これは放射線の影響に関する国連科学委員会United Nation Science Committee Effects on Atomic Radiationsの2008年報告を引用しているものなのですが、その引用が不十分な文献が多く、ラドン内部被爆量の過小評価に繋がっています。

UNSCEAR2008では、ラドン吸引による肺の内部被曝量として屋外と同じラドン濃度の場所で暮らしている人は年間1.2mSvとしていますが、それに加えて室内のラドン濃度は気密性や換気の状態によって大きく異なることを指摘しており、0.2mSv〜10mSvと広く分布していると書かれています。残念ながら日本で市販されている放射線の専門書の中にはこの後半部分が欠落しているものが多く、逆に正しく引用している文献は理科年表などの少数しか見られませんでした。

 

引用先:UNSCEAR 2008 REPORT VOLUME I

p.339 Table 12. Public exposure to natural radiation 注釈c

 

ラドンの密度は空気の約7.5倍で、気密性の高い部屋では床付近のラドン濃度は高く、天井付近のラドン濃度は低くなります。我々の測定値では築30年以上の建物では床付近のラドン濃度は屋外の3倍程度、新築の建物では5〜10倍程度でした。またUNSCEAR2008では新築の室内のラドン濃度を100箇所以上の異なる高さで正確に測定した科学論文を引用しており、床付近のラドン濃度は屋外の約10倍、天井付近のラドン濃度は屋外の約1/10でした。

UNSCEAR2008の前の報告はUNSCEAR1990でした。1990年報告には室内のラドン濃度が屋外とは異なるといった但し書きは存在しませんでした。多くの専門書は1990年報告をまとめた表の形式をそのままに2008年報告の数値に書き換えたので、但し書きを書くスペースがなかったのでしょう。

1990年から2008年までの間に日本の住宅事情特に空調方法が変化しました。

クーラーは1970年の普及率は5%程度でしたが、1990年には60%以上になりました。大卒初任給の5〜10倍であり、一家に一台でした。一戸建て住宅は一階にダイニングキッチンと和室(と風呂とトイレ)、2階に寝室が3〜4部屋と言うのが一般的で、クーラーは主にダイニングに設置されました。ダイニングキッチンと和室はまとめて密室状態であり、クーラーで冷やされていました。家族で夕食をとった後は和室でテレビを見て一家団欒の時を過ごしました。冬の暖房はガスストーブか灯油ストーブで、換気は必須でした。最悪の事態として和室で寝入ったとき酸欠状態にならないように、和室の気密性はそんなに高くはありませんでした。すなわち1990年の平均的日本人は、一年のうち2〜3ヶ月、一日のうち3時間ほどあまり気密性の高くない密室で過ごしていました。このためUNSCEAR1990では室内のラドン濃度が屋外とほぼ等しいとして十分でした。

しかし、2008年時点になるとクーラーに代わってエアコンが普及してきました。一台で夏の冷房だけではなく冬の暖房も行え、室内の空気も汚しません。春や秋も含めて一年中同じ快適な温度で過ごせます。価格も下がって一人に一台が一般的になりました。窓を開ける必要がないので気密性をずっと高くできます。UNSCEAR2008で指摘している下限の0.2mSvは自宅の職場も高層建築物の5階以上の人で、通勤・通学・買い物などで屋外に出た時だけ被曝する人です。上限の10mSvは自宅も職場も1・2階の密室の人です。ここまではUNSCEAR2008の指摘で、密室の住人は放射線立ち入り禁止区域の基準である年間20mSvの50%を自宅寝室で被曝する可能性があり、適切な空調が必要不可欠です。

 

これから先は弊社が発見したことです。

現在日本の新築住宅では寝室やダイニングキッチンの天井にエアコンを設置し、そして空調には吸気口と排気口が一体となった換気口を天井に設置しています。換気口は東西方向が吸気で南北方向が排気といったように吸気と排気が混ざらないようにしています。また天井裏で吸気のパイプと排気のパイプを絡ませて熱交換を行うことによって熱効率を良くしています。

この空調方法は一点だけとんでもない欠点があります。天井付近のラドン濃度の低い空気を排気し、外気を吸気することで、室内のラドン濃度が上昇するという点です。そしてこの上昇は吸気と排気のラドン濃度が一致するまで続きます。空調を作動していなかった時に天井付近のラドン濃度が外気の1/5で床付近のラドン濃度が外気の5倍だった場合、空調を作動すると天井付近のラドン濃度は外気と同程度で、床付近のラドン濃度は外気の25倍となります。もしもっと気密性が高くて最初の天井付近のラドン濃度が外気の1/10だったら、空調を作動させたら床付近のラドン濃度は外気の100倍になります。すなわち、この寝室に24時間365日滞在した場合、ラドンの吸引摂取による肺の内部被曝は30mSv〜120mSvとなります。これはもちろん放射線障害防止法による立ち入り禁止区域に該当します。

 

放射線の専門家の皆様、建築物での密室+天井排気は福島第一原発周辺の帰宅困難区域を上回る放射能危険地帯となりえる危険性を広く周知して下さい。

 

弊社は空調の簡単なリフォーム工事で室内のラドン濃度を大幅に下げられる方法を発見しました。

また、そのほかにもラドンの崩壊によって生じたポロニウムが食品に付着して胃腸を被曝するメカニズムを発見しました。

詳しくは本ホームページまたはパンフレットにて解説していますので、ぜひお問い合わせ下さい。

千葉放射線科学株式会社 代表取締役社長 河合秀幸

〒263-0022 千葉県千葉市稲毛区弥生町1-33 千葉大学 IMO PCRC 302号室

 

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