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核融合反応とは?

目次
恒星の中で起きる核融合反応

 ①陽子ー陽子連鎖反応

 ②CNOサイクル

この宇宙にはウランのような重い原子核が2つのより軽い原子核に分裂する核分裂反応の他に、軽い原子核同士がくっ付いてより重い原子核に変わる現象があります。この現象のことを核融合反応または単に核融合と言い、太陽を始めとする恒星の活動や水素爆弾、核融合炉は核分裂ではなく核融合によって膨大なエネルギーを生み出しています。それどころか、核融合はこの宇宙に存在する様々な原子核の生成にも関わっているのです。

恒星の中で起きる核融合反応

現代の学説においてビックバンによって生まれた宇宙は最初のころ、水素とヘリウムが3:1の割合で存在しているだけで、他の原子核は存在しませんでした。やがて何らかの理由により偏りが生じ、周囲よりも密度の高い箇所が出来ていき、その箇所の重力が強くなって見る見るうちに周囲の水素やヘリウムをさらに引き寄せていって大きくなっていきました。水素とヘリウムの「塊」が大きくなるに従って中心部分の圧力と温度が上昇していき、その中心温度が1,000万℃を超えると、水素同士が核融合反応を引き起こして重力に収縮圧とのバランスを取りつつ安定的に輝くようになります。このような状態となり、恒星としての道を歩みだした星のことを主系列星と言い、水素同士による核融合反応のことを水素燃焼と呼びます。燃焼という名前こそ付いていますが、一般に思い浮かべるような酸素との化学的な結合反応ではありません。

水素燃焼には陽子ー陽子連鎖反応CNOサイクルと呼ばれる2つの過程があります。

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①陽子ー陽子連鎖反応

宇宙が生まれたばかりの頃は水素とヘリウムしかなかったため、その時に誕生した恒星の中では陽子ー陽子連鎖反応が主に行われていました。陽子ー陽子連鎖反応はその名が示す通り陽子(水素原子核)同士が核融合を引き起こし、最終的に4個の陽子に対して1個のヘリウム4が生み出される反応です。その過程は以下の通りになります。

陽子ー陽子連鎖反応
1.陽子 + 陽子 → 水素2 + 陽電子 + 電子ニュートリノ

2.水素2 + 陽子 → ヘリウム3 + γ線

3.ヘリウム3 + ヘリウム3 → ヘリウム4 + 陽子 + 陽子

陽子ー陽子連鎖反応は最初の反応が陽電子と電子ニュートリノの放出を伴う過程である関係上、温度が上昇してもまり反応速度が変化しないという特徴があります。これを律速過程と言います。やがてヘリウム4の量が豊富になるか、温度がやや高い環境(1,400万~2,300万℃)になると、ヘリウム3とヘリウム4が核融合を起こしてベリリウム7が生成され、ベリリウム7が電子捕獲でリチウム7に変わり、さらに陽子と反応を起こして2個のヘリウム4が生成されるようになります。さらに温度の高い環境(2,300万℃以上)になるとベリリウム7による陽子を吸収する過程が強くなってホウ素8に変わり、β崩壊を経て2個のヘリウム4が生成されるようになります。

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②CNOサイクル

私たちの身近で輝いている太陽は、かつて太陽系が生まれる前に存在していた恒星が後述する超新星爆発を起こした後に生じた「残骸」から生じたため、生まれた時から炭素や酸素が少量ながら含まれていました。恒星の中に初めから炭素12が含まれていると、炭素12を起点として陽子捕獲やβ崩壊を繰り返し、窒素や酸素の同位体を経由してヘリウム4を生成するサイクルが動き出します。そのサイクルの名前を炭素・窒素・酸素の原子記号からとCNOサイクルまたはCNO-1サイクルと言い、以下のような反応を繰り返していきます。

CNOサイクル
炭素12 +  陽子  →  窒素13 +  γ線

窒素13 →  炭素13 + 陽電子 + 電子ニュートリノ

炭素13 + 陽子 → 窒素14 + γ線

窒素14 + 陽子 → 酸素15 + γ線

酸素15 → 窒素15 + 陽電子 + 電子ニュートリノ

窒素15 + 陽子 → 酸素16 → 炭素12 + ヘリウム4

CNOサイクルでも陽子ー陽子連鎖反応と同様に4個の陽子に対して1個のヘリウム4が生成される反応となります。また、ごくまれに窒素15と陽子が融合した際、次のような反応に起こして分岐することもあります。これをCNO-2サイクルと呼んで区別しています。

CNO-2サイクル
窒素15 +  陽子  →  酸素16 +  γ線

酸素16 +  陽子  →  フッ素17 +  γ線

フッ素17 →  酸素17 + 陽電子 + 電子ニュートリノ

酸素17 + 陽子 → 窒素14 + ヘリウム4

CNOサイクルは陽子ー陽子連鎖反応とは異なり、クーロン斥力の強い重い原子核が反応に関わっているため、サイクルを回すためには高い温度が必要であり、その反応速度は温度に強く依存するという特徴があります。そのため太陽(中心温度1,600万度)の生み出すエネルギーのうち、CNOサイクルによるものが全体の1%程度なのに対し、恒星の質量が太陽の1.5倍を超える恒星の場合では、中心温度が2,000万℃を突破しており、主要な反応がCNOサイクルになると言われています。

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