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| 日本だけ増え続ける大腸がん
大腸がんの原因は“2種類のα線” |
日本だけ増え続ける大腸がん
上のグラフは主要国(G7)における人口1億人あたりの年間大腸がん死亡者数の年代推移を示しています。
ここから見て取れるのは他の主要国の大腸がん死者数が減少ないし、ほぼ横ばい状態となっている中、日本だけが一本調子に増加し続けている点です。別ページにて胃がんについて解説した時にも述べましたが、大腸がん増加の原因は胃がん等同様に一般で言われているような生活習慣や食文化の欧米化によるものではありません。
弊社は大腸がんもまた日本独自の理由で増え続けているのだと考えています。
大腸がんの原因は“2種類のα線”
①ラドン222由来のポロニウム214のα線
胃がんの原因は空気中のラドン222から発生し、ご飯粒のように湿り気の多い食品の表面に付着したポロニウム218が胃の中でα線を放出したことによるものだと解説しましたが(詳しくはこちら)、ポロニウムは食品の表面に付着するだけでなく、水やお茶、味噌汁、スープといった液体の水の中にも溶け込んでいき、経口摂取で体内に取り込まれます。
消化器官を水滴に溶け込んで通過するポロニウム

ご飯粒の表面に付着した場合とは異なり、水の中に溶け込んだポロニウムは、胃や腸の中で雨粒程度の大きさの水滴(直径2〜3mm)の中に閉じ込められた状態となって通過すると考えられます。ポロニウム218から出るα線は水中を50μm程度しか飛ばないことから、完全に水の中に溶け込んだポロニウム218は胃がんの原因になることはなく、胃や小腸に対してほとんど影響を与えないまま通過して比較的短時間で大腸にまで達することになります。
ここで重要になってくるのはポロニウム218がα線を出した後、さらに何度も崩壊を繰り返して放射線を出していく道筋についてです。

上の図はラドン222やポロニウム218が属している崩壊系列(ウラン系列)の道筋を簡単に描いたものです。黒い矢印はα線を出すα崩壊を、白い矢印はβ線を出すβ崩壊を表しています。これまでにお話してきたラドン222をスタート地点とすると、α線を4本、β線を4本出して、最後にもうこれ以上放射線を出さない安定核種の鉛206となります。
そのウラン系列の道筋において、ポロニウム218の半減期は3.1分であるため胃や小腸を移動している間に鉛214に変わり、半減期26.8分の鉛214はビスマス214に変わり、そして半減期19.9分のビスマス214は再度α線を出すポロニウム214に変わります。鉛214やビスマス214が出すβ線は水の中を最大で5mm程度飛びますが、がん発生能力はラドンやポロニウムが出すα線の1/100以下しかありません。ビスマス214がβ線を出して生じるポロニウム214は、半減期0.0001643秒という極めて短い時間の間にがん発生能力の非常に強いα線を出して半減期22.2年の鉛210に変わります。
ラドン222がポロニウム218に変わった時から2番目のポロニウム214が放射線を出すまでの平均時間は約50分です。この時間は飲料水を口に入れてから胃や腸を通って大腸に届くのに適当な時間と言えます。
ほとんどの栄養物が小腸で吸収され、水分が大腸で吸収されると、残った鉛214やビスマス214は大腸の内壁にくっつきます。そしてポロニウム214が出すα線が大腸の内壁細胞に直接当たり、そこにがんを発生させ大腸がんの原因となります。

②ラドン220由来のビスマス212およびポロニウム212のα線
上記のようにウラン系列のポロニウム218が水に溶け込んで消化管内を進んでいる間にポロニウム214に変わり、大腸の壁面に付着して被曝させる事例を考えると、ウラン系列のラドン222だけでなくトリウム系列のラドン220も関与してくる可能性が浮上してきました。

上の図はラドン220が属しているトリウム系列の道筋を描いたものです。トリウム系列の大元となるトリウム232は半減期が140億年と非常に長く、ウラン238と同様に地殻やマントルの中に大量に含まれており、身近な場所ではコンクリートや石材などの建材にも含まれています。
トリウム系列のラドン220は半減期が55.6秒とラドン222の3.8日と比較すれば短いですが、ラドン222と同様に呼吸によって肺の中に取り込まれればα線を出してポロニウム216に変わり、肺の細胞を被曝させて肺がんの原因となります。国連の中にあるUNSCEAR(放射線の影響に関する国連科学委員会)の2024年報告によればラドン222による肺がん死者数は人口1億人あたり年間平均7,000人であるのに対し、ラドン220による肺がん死者数は人口1億人あたり年間平均2,000人になると発表されました。
空気中のラドン220から発生するポロニウム216はウラン系列のポロニウム218と同様に空中を秒速100mで飛び回り、食卓上の湿った食品や飲料水に付着したり、溶け込んだりすることが考えられます。しかしポロニウム216の半減期は0.145秒と比較的短い(ラドン220から発生して水に溶け込むまでの時間としては十分)ため、食品や飲料水を手に取って口へ運ぶまでの間にほとんどが崩壊して半減期10.64時間の鉛212に変わってしまいます。そのことから食品や飲料水に溶け込んだポロニウム216は胃がんの原因にはなりえません。
そしてポロニウム216から発生した鉛212は消化される飲食物と一緒にゆっくり移動し、やがて大腸にたどり着きます。健康的な人の場合、食べてから胃が空になるまでに2~4時間、小腸を通過するまでに4~6時間、大腸を通過して便として排出されるまでに24~72時間かかると言われています。半減期10.64の鉛212は大腸を通過する過程でβ崩壊を起こし、ビスマス212に変わります。ビスマス212は約36%の確率で「先にα線を出してからタリウム208に変わる」ルートを辿り、残りの64%の確率で「先にβ線を出してポロニウム212変わり、半減期294.7ナノ秒を経てα線を出す」ルートを辿り、それぞれ最終的には安定な鉛208となって崩壊系列が終了します。このときのα線が大腸の内壁に当たれば、細胞をがん化させて大腸がんの原因となります。
以上のように、弊社は大腸がんの原因がラドン222由来のポロニウム214が出すα線とラドン220由来のビスマス212およびポロニウム212が出すα線の2種類のα線だと考えています。食堂のラドン濃度が上昇すれば、そこから生じるポロニウム218やポロニウム214やビスマス212やポロニウム212の量も当然のことながら増えていき、胃がんや大腸がんのリスクが高まっていきます。このことから胃がんの発生地域はその食文化によって地域差が生じてしまっているのに対し、大腸がんは世界中どこでも同じような確率で発生していることが自然に説明できます。米を食べない民族は存在しますけれども、水を飲まない民族は存在しえません。
これは国際機関がラドン222を肺がんの原因とした場合と同しである言え、飲食物に付着するポロニウムの量が元となるラドン222の濃度依存していると考えれば、大腸がんポロニウム原因仮説の裏付けになると考えています。
場所によって異なる大腸がんの原因
大腸がんの原因がラドン220由来のポロニウム214が出すα線とラドン220由来のビスマス212およびポロニウム212が出すα線の2種類のα線であるとした場合、それぞれのα線が大腸のどの部位に影響が大きいのかを解説します。

上図は大腸の概略図と各部位の名称を示しています。小腸での消化を終えた飲食物は小腸との接続部近くの盲腸から上向きの上行結腸を通り、そこから横向きの横行結腸や下向きの下行結腸を経由して、最後にねじれたS状結腸と直腸にたどり着き、そこである程度時間を掛けて便を形成したあと、その先の肛門から排出されます。
ここで考えなければならないのはポロニウム218やポロニウム216が飲食物に付着してからポロニウム214やビスマス212およびポロニウム212がα線を出すまでにかかる時間と消化管内における飲食物の時間経過による位置変化です。
ポロニウム214の場合、ポロニウム218から数えておよそ50分でα線を出します。空腹時に水を飲んだ時にその水が大腸にたどり着くまで30分~数時間かかると言われています。このことからポロニウム214によるα線の影響は大腸の前部、盲腸や上行結腸に集中しやすいことが考えられます。
これに対しビスマス212およびポロニウム212の場合、前段階である鉛212の半減期が10.64時間、小腸を通過するまでの時間が4~6時間、大腸を通過して便として排出されるまでの時間が24~72時間と言われています。これらのことを考えると、ビスマス212およびポロニウム212によるα線の影響は大腸の後部、S状結腸や直腸に集中しやすいことが考えられます。
下図ではこれらの影響の概要をグラフとして描いています。

大腸がんの発生場所について全国的な統計データは存在しませんが、個々の病院が公表しているデータを並べてみますと、おおむね盲腸および上行結腸が大腸がん全体の約20%、横行結腸が約10%、下行結腸が約5%、そしてS状結腸および直腸が65~70%あたりの水準で纏まっています。
このことは弊社が提唱している“2種類のα線”説でうまく説明できるものだと考えています。
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そもそも「がん」ってどういう病気?
ラドンが崩壊しても、さらに放出され続ける放射線